インバウンド消費とは?意味や注目される理由、企業が取るべき対策

観光や宿泊、飲食、小売などのビジネスを営む方にとって、訪日旅行客や市場を表すインバウンドは重要視すべき要素です。コロナ禍を経て日本国内や北海道内のインバウンド需要が急増し、それに伴って「インバウンド消費」が注目度を高めています。
本記事では、インバウンド消費とは何かわかりやすく解説した上で、インバウンド消費が注目される理由や、インバウンド消費の主な種類をご紹介します。また、北海道におけるインバウンド消費の取り組み対策例もお伝えするため、自社がインバウンド消費を促進するためのヒントとしてもご活用いただければ幸いです。
「インバウンド消費」とは
インバウンド消費とは、訪日外国人が日本国内で行う消費を指す言葉です。宿泊や飲食、交通、レジャー、文化体験など、インバウンド消費は幅広いジャンルで大きな経済効果を生み出します。現在、インバウンド消費は日本のGDPを押し上げる重要な要素となっており、輸出産業に匹敵する外貨獲得手段として期待されるほどです。
特に北海道では、雄大な自然や新鮮な海鮮・乳製品といった魅力が外国人観光客の心を捉え、インバウンド消費の拡大を促しています。
インバウンド消費が注目される理由
インバウンド消費が注目される理由は大きく3つです。北海道内におけるインバウンドの動向にもスポットライトを当てながら、それぞれのポイントをわかりやすく解説します。
訪日需要の回復で市場規模が拡大しているから
訪日観光客の増加に伴い、宿泊・飲食・小売などの幅広い業種に恩恵があることが、インバウンド消費が注目される理由です。
JNTO(日本政府観光局)の統計によると、年度別訪日外国人はコロナ禍で落ち込んだものの、回復・拡大傾向にあります。2014年に約1,340万人だった訪日外客数が、10年後の2024年には約3,687万人へと増加。 2025年度も増加が続く見通しであり、政府が目標とする「2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人、インバウンド消費額(訪日外国人旅行消費額)15兆円」の達成も現実味を帯びています。
北海道においても、インバウンド消費の重要性が高まっています。北海道観光機構は、2024年度の道内総観光消費額について、以下のように発表しました。
【北海道の総観光消費額(2024年度暫定値)】
道内客:5,454億円
道外客:5,238億円
インバウンド:5,231億円
インバウンドは観光客の絶対数が少ない一方で、道外客に匹敵する観光消費額を計上しています。一般論として、日本人観光客と比較してインバウンドの消費額はより大きく、北海道の観光関連事業者にとって大きなビジネスチャンスです。
円安やSNS拡散が消費を後押ししているから
近年の急速な円安により、日本の商品やサービスに強い割安感が生まれ、外国人観光客の訪日意欲や消費意欲を刺激しています。北海道のカニやウニといった高級食材も、外国人から見れば「自国で食べるよりもリーズナブル」「以前と比べて安い」と評価され、消費を後押しする要因となっています。
また、SNS拡散もインバウンド消費が重視される理由のひとつです。函館の夜景や小樽運河の情景、ニセコのパウダースノーやラベンダー畑などが「SNS映えする」と話題になり、外国人に来道を決意させるきっかけとなっています。
人口減少時代の新たな需要源になっているから
日本では少子高齢化による人口減少が進み、従来のように内需だけに頼れない企業が増えてきました。インバウンド消費は、外貨獲得型の外部需要として、企業や地域の存続を支える新たな柱です。特に内部の方針転換が容易な中小企業にとっては、従来の日本人客中心からグローバル対応へとシフトする絶好のタイミングといえます。
インバウンド消費の主な種類
インバウンド消費には、主に「モノ消費」と「コト消費」の2種類があります。それぞれの具体例も確認しながら、インバウンド消費の種類を詳しく把握しましょう。
モノ消費
モノ消費とは、商品の購入によって生まれるインバウンド消費です。具体例としては、次のような商品をモノ消費の対象として挙げられます。
<モノ消費の具体例>
・化粧品
・医薬品
・食品
・家電
・ファッション
・土産品などの購入
北海道では特に「地域限定のお土産」が人気です。チーズやバターに代表される乳製品や、鮭・いくら・カニなどの海鮮加工品、白い恋人などのスイーツは、外国人からも注目を浴びています。また、小樽のガラス工芸品や雑貨もインバウンドに支持されており、モノ消費の核として機能する存在です。
コト消費
コト消費とは、サービスや自然などから得られる「体験そのもの」へのインバウンド消費です。具体的な内訳としては、次のような商品をコト消費の対象として挙げられます。
<コト消費の具体例>
・宿泊
・飲食
・交通
・レジャー
・文化体験
・アクティビティなど
北海道には、世界的な評価も高い雪、自然、温泉、食体験などの豊かな観光資源があります。ガイドつきツアーやワークショップの開催により、モノ消費だけでは得られない、高い付加価値を生み出せるでしょう。
【中小企業例】インバウンド消費を取り込むために企業がやるべきこと
中小企業がインバウンド消費を効果的に取り込むために必要なのは、外国人観光客が快適に過ごせる環境整備と、自社製品・サービスの海外向けアピールの2つです。この2つを並行することにより、外国人を集客してインバウンド消費を促すだけでなく、リピートや口コミによる新規顧客開拓を実現できます。
ビジネスモデル別に、インバウンド消費を促す具体例を見てみましょう。例えば旭山動物園では、インバウンドの国別で上位を占める英語圏・アジア圏を主要ターゲットに設定。英語・中国語対応のガイドツアーを用意して、顧客満足度の向上に努めています。この取り組みは「サービスが丁寧で親切」「実用的な情報を送ってくれる」などと評判を呼び、外国人向けの口コミでも高く評価されています。
飲食店では、英語・韓国語・中国語対応のメニューを用意したり、多言語対応のスタッフを新規雇用したりといった対策により、他店との差別化を図ってインバウンド消費を促す店舗が増加中です。これにより、未知のメニューに対する恐怖心を取り除き、ヴィーガンメニューやハラル対応を求めるインバウンドにも安心感を与えています。
北海道におけるインバウンド消費の取り込み例
北海道では、行政や観光関連団体、各事業者が連携しながら、訪日外国人旅行者の受入環境整備を進めています。特に重視されているのが、多言語での情報発信、移動のしやすさの向上、そして誰もが安心して滞在できる環境づくりです。こうした取り組みは、外国人観光客の満足度を高めるだけでなく、観光消費の拡大や滞在時間の長期化にもつながります。
例えば、観光施設や宿泊施設、飲食店では、英語・中国語・韓国語などによる案内表示やメニュー整備、WebサイトやSNSでの多言語発信、キャッシュレス決済への対応などが有効です。外国人観光客にとって必要な情報にスムーズにアクセスできる環境を整えることで、来店や利用へのハードルを下げやすくなります。北海道でも、多言語・多様な媒体による正確な情報発信や、AIを活用した案内など、利便性向上に向けた方向性が示されています。
また、北海道では広域移動と二次交通の利便性向上も重要なテーマです。観光地そのものの魅力だけでなく、空港から目的地までのアクセスや、地域内をスムーズに周遊できる環境が整うことで、旅行者は複数のエリアを回遊しやすくなります。その結果、宿泊、飲食、買い物、体験といった幅広い場面で消費機会を生み出しやすくなるでしょう。
さらに、今後は多様な食習慣や文化的背景への配慮、アクセシビリティ向上、災害・気象情報の多言語提供なども、インバウンド対応に欠かせない要素です。北海道でインバウンド消費を取り込むには、単に外国語を表示するだけでなく、旅行者が安心して移動・滞在・消費できる環境を地域全体で整えていくことが重要です。こうした積み重ねが、選ばれる観光地づくりと、持続的な観光消費の拡大につながります。
まとめ
インバウンド消費とは、訪日外国人が日本国内でおこなう宿泊、飲食、買い物、体験などの総消費です。北海道内でも、あらゆる中小企業がインバウンド消費拡大に向けた施策をおこなっています。モノ消費とコト消費の両方をバランスよく取り込むことで、インバウンド消費は、減少する国内需要に変わる新たな収入の核となることでしょう。
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