東海道・甲州街道ほか旧街道を巡る旅【御宿場印動画編】
昔の街道を歩きながら、御朱印のように「御宿場印」を集める。これは、日本の有名街道を実際にたどる旅の話です。
全国の信用金庫が始めたプロジェクトをきっかけに、東海道・甲州街道・日光街道・会津西街道へと足を運びました。
移動は基本的に公共交通と徒歩。電車を乗り継ぎ、駅から旧道を探し、石碑や案内板を頼りに宿場町をたどります。
地図で見ると1本の線ですが、実際に進むとまったく違う景色がありました。
東海道の広小路に残る空間の広さ。山梨に入ると、1時間に1本になる電車。日光でそろった30枚の御宿場印。そして会津で食べた、ねぎを箸代わりにする1本そば。
これはスタンプラリーの話ではありません。足を運ぶ理由を探す旅の記録です。
この記事では、御宿場印とは何か、そして東海道から会津西街道まで巡った4つの街道旅の様子を、YouTube動画とあわせて紹介します。
御宿場印とは何か
御宿場印は、江戸時代の宿場町を巡りながら集める街道版の御朱印です。
全国の信用金庫が中心となって始まった取り組みで、東海道や甲州街道、日光街道など、旧街道沿いの宿場ごとに専用の印が用意されています。
神社仏閣の御朱印と異なり、対象はかつて旅人や大名行列が往来した宿場町。実際に現地を訪れ、配布場所で受け取ります。
形式は紙の印刷物で、宿場名や街道名が記されています。配布方法や取扱時間などは宿場ごとに異なるため、事前確認が必要です。
歩いてみて感じたのは、印そのものよりも「そこへ行く理由」が生まれることでした。石碑を探し、旧道をたどり、交流施設で話を聞く。
この印は、通り過ぎてしまいそうな町に足を止めるきっかけになります。集める行為を通して、街道という道の存在を実感できる仕組みです。
御宿場印を求めて巡った街道動画4シリーズ
御宿場印をきっかけに、4つの街道をたどりました。
全国の信用金庫が始めたこの取り組みを知り、「地図の線を実際にたどったらどうなるのか」と思ったのが始まりです。
移動は公共交通と徒歩。駅を降りて旧道を探し、石碑の前で立ち止まり、また次の駅へ向かう。その繰り返しでした。
東海道53次を歩く旅(日本橋〜京都)
最初は東海道。日本橋から京都までの53次に、日本橋と京都を加えた55枚を集めました。
東海道は痕跡が濃い。
藤沢宿では広小路の空間が残り、道幅は約7mと説明を受けました。実際に立つと、思っていたより狭い。行列が本当に通れたのかと少し疑うくらいです。
愛知県の二川宿(Vol.3)や三重県の関宿(Vol.4)は町並みがまとまって残り、足音がやけに響きました。観光地というより、時間が少し遅れている場所でした。動画は全4本です。
甲州街道で御宿場印を集める(日本橋〜下諏訪)
次は甲州街道。日本橋から新宿を経て下諏訪へ。
参勤交代に利用した大名家は限られていたとされ、東海道ほどの規模はありません。月の前半と後半で担当宿場が変わる「合宿(がっしゅく/あいしゅく)」という仕組みも知りました。
ただ、正直に言うと、痕跡は薄い。
山梨に入ると電車は1時間に1本。ホームで次の便を待ちながら、街道を続ける意味を考える時間もありました。動画は全3本です。
日光街道をたどり御宿場印を30枚集める
3つ目は日光街道。奥の細道の余韻も感じながら北へ進みます。
草加にはおせんさんの逸話(諸説あり)が残り、春日部は別の意味で知られた町です。旧道をたどり、最終的に日光で30枚をそろえました。
平地の続く東海道とは違い、道は次第に山へ向かいます。空気が変わるのが分かりました。動画は全3本でまとめています。
会津西街道で17枚の御宿場印を完走
日光から会津若松へつながる脇街道、会津西街道にも進みました。
鬼怒川温泉を抜け、SLを見送り、大内宿へ。ねぎを箸代わりにして食べる「ねぎ1本そば」は、見た目以上に食べづらい。それも含めて記憶に残ります。
会津若松では飯盛山やさざえ堂を訪れ、17枚を集めて区切りをつけました。
地図では1本の線でも、体で覚える距離はまったく違います。
御宿場印集めは初心者でもできるのか
御宿場印は、宿場町を訪れた証として各地で用意された記念印で、御朱印や御城印と同じように訪問記録として楽しむものです。
全国の信用金庫が中心となったプロジェクトとして、旧街道沿いの宿場を巡る動機づけとして広がっています。
初心者でも十分始められます。宿場町の観光案内所や販売所で印を受け取りながら歩くだけで、自然と旧街道の雰囲気や地域の歴史に触れることができます。
知識がなくても足を運ぶうちに背景が頭に入ってくるでしょう。
ただし、全部を1度に踏破する必要はありません。
都市部を通る街道は公共交通が比較的使いやすいものの、地方では電車やバスの本数が限られる区間もあります。
事前にルートや配布場所の営業時間を調べると、より旅をスムーズに楽しめます。少しずつ区間を区切って巡る旅でも十分に魅力的です。
街道旅のスタイル別・楽しみ方
御宿場印の旅は、印を集めることだけが目的ではありません。道そのものをどう味わうかで、体験はまったく変わります。
同じ街道でも、選ぶスタイルで景色は違って見えます。
公共交通で回る人
鉄道やバスを軸に動く方法。東海道や日光街道の都市部区間なら、駅を拠点に区間ごとに区切って進めます。
時刻表に合わせて動く旅は、思っているよりも計画性が求められます。1本逃すと次は1時間後、という区間もあるからです。
けれど、その待ち時間が悪くない。ベンチに座って旧道を見返す時間も、街道の一部でした。
徒歩中心でじっくり味わう人
町並み保存地区では、建物の高さや軒の出方に目がいきます。
関宿のように古い建物が連なる場所では、歩幅まで変わる気がしました。
速さよりも距離感。数百メートルの道に、意外と多くの痕跡が残っています。
写真を撮るより、立ち止まる回数が増える旅です。
歴史を手がかりに進む人
街道沿いには逸話が残ります。草加のせんべいの話(諸説あり)、宿場の制度の名残。
調べてから訪れると、何もない道が急に立体的に見えてきます。看板1枚の重みが変わる。
ただ、知識がなくても問題はありません。現地に立つことで、後から調べたくなることも多いからです。
御宿場印は「集めること」より「歩く理由」になる
実際に巡ってみると、次の宿場へ向かうきっかけになっていることに気づきます。
東海道で55枚をそろえても、強く残っているのは印そのものより、町の空気でした。
藤沢宿の広小路、関宿の静かな通り。紙は手元に残りますが、記憶に残るのは歩いた道です。
甲州街道では電車が1時間に1本という区間もありました。それでも次の宿場へ向かう理由がある。それが、小さな動機になります。
集める行為は区切り。歩いた距離は体に残る。
御宿場印は、ゴールではなく出発点。道を確かめるための理由です。
まとめ
東海道から会津西街道まで、4つの道をたどりました。
同じ道でも、都市部と山間部では移動の感覚も空気も違います。電車の本数、町並みの密度、残っている痕跡。それぞれに個性がありました。
御宿場印は、その違いに気づくための目印のような存在です。枚数よりも、どんな景色に出会ったかのほうが後から効いてきます。
一度に制覇する必要はありません。区間を区切り、自分のペースで進めることもできます。
地図を見ているだけでは気づかなかったことが、現地に立つと少しずつ浮かんできます。
そのきっかけのひとつが、この記念印でした。
📺 YouTubeチャンネル
動画「ひでさんジャーニー」
英語版 TripTip Japan
