海外にまだ伝わっていない日本を走る【全国道の駅スタンプラリーの旅編】
全国に道の駅がいくつあるか。
正確に答えられる人は、あまりいないと思います。自分も、始めるまでは知りませんでした。
調べてみると1,200か所以上。その数字を見て少しひるみましたが、スタンプラリーという形があるなら一度やってみようと思いました。
実際に走り出すと、想像以上に条件が多い。距離、営業時間、天候、地形。気づけば、ほぼ休みなく車を走らせる日が続いていました。
結果的に、最速でのコンプリートを目指し、総走行距離は3万km超。
この記事では、全国道の駅スタンプラリーという旅の全体像と、各エリアを走った様子を動画とあわせてまとめています。
観光地ではなく、生活のすぐそばにあった場所を拾い続けた記録です。
全国道の駅スタンプラリーという旅の話
全国の道の駅を回る、と聞くと、のんびりした旅を想像する人も多いと思います。
正直、自分も最初はそのくらいの感覚でした。ただ、調べてみてすぐに分かります。これは気軽な寄り道の積み重ねでは済まない。
地図では点にしか見えない道の駅が、実際には全国に散らばっていて、しかも均等じゃない。
「次の一駅」が、普通に何十キロ先だったりする。その現実を知ったところから、この旅は始まっています。
想像以上だった全国1,200超という数
全国にある道の駅は、1,200を超えます。
数字だけ見ると実感はないかもしれません。ただ、走り始めるとこの数がじわじわ効いてきます。
一日走っても、思ったほど先に進まない日が続きました。天候や営業時間、山道や地形に普通に振り回される。
「今日は進んだ」と思っても、全体から見ればほんの一部でした。
数の多さというより、終わりが見えない感じのほうが正直きつかったです。
最速コンプリートを目指した理由
ゆっくり回る選択肢もありました。でも、それをやると季節に負ける。とくに雪です。
北海道から始めた時点で、時間をかけるほど難しくなるのは分かっていました。だったら、一気に行くしかない。
結果的に、かなり無茶なペースになりました。
この判断が正解だったかは、今でも分かりません。ただ、あの決断がなければ、最後まで辿り着いていなかった。
それだけは確かです。
動画でたどるスタンプラリーの記録
この旅は、あとから振り返ると一本の長い動画というより、区切りごとに性格がまったく違う旅が連なっていた感じがします。
同じ「道の駅」でも、走る場所が変わると、しんどさの種類も変わります。その違いが一番分かりやすく残っているのが、このシリーズ動画。
ここでは、ブロックごとに印象が強かった回をいくつか拾っています。
北海道編|距離と時間を甘く見た8日間
最初から、完全に読みを外しました。当時の北海道は道の駅が127か所(2023年当時)。8日あれば何とかなると思っていました。
朝5時に出て、夜は23時近くまで走る。それでも、スタンプは思ったほど増えない。
地図で見る北海道と、実際に走る北海道は、まったく別物でした。夕方を過ぎると、エゾシカやキツネが普通に出てくる。最初は怖さより、感動のほうが勝っていた気がします。
知床や羅臼の景色には何度も足を止めました。中山峠のあげいもが、予想以上に大きかったこともよく覚えています。
こういう寄り道が重なって、予定は簡単に崩れます。
8日後の飛行機に間に合わせるため、最後に残したのがウトナイ湖。そこでまさかの事故渋滞と通行止め。飛行機はキャンセルになり追加で1泊。
それなら、最初からもう少しゆっくり回りたかった。今は、そう思います。
東北編|半島が最大の山場になる
東北に入って、はっきり分かってきました。道の駅スタンプラリーで一番きついのは、地図の端に伸びている半島エリアです。
青森は想像以上でした。
下北半島の先まで道の駅が点在していて、「ついでに寄る」が通用しない。地図で見る距離感と、実際に走る距離がまるで違います。
その一方で、文化の濃さは強烈でした。秋田では、牛一枚皮を使った世界一の和太鼓。ギネス認定と聞いても、実物の迫力は別物です。
なまはげの展示や、空港そのものが道の駅になっている場所もあり、走っているのに、ちゃんと地域の中に立っている感覚がありました。
東北6県を回るだけで、走行距離は約3,600km。そして福島から新潟へ抜けるあたりで、恐れていた雪。
魚沼峠でスタックし、残り30kmが240kmの迂回に変わったとき、この旅は「気合い」ではどうにもならないと腹をくくりました。
中部編|行けそうで行けない難所
中部は、正直いちばん油断していました。地図だけ見ると、移動は楽そうに見えます。
でも走り出してすぐ、違和感が出ました。岐阜が日本一道の駅が多い県だと知ったのもこのときです。
当時で56駅。数が多く、駅ごとの間も意外と遠い。「まとめて回れる」という感覚は、すぐに消えました。
高山に入ると、山地ではすでに雪。この時期にここまで神経を使うとは思っていませんでした。
伊豆も同じです。地図では近そうでも、実際は走らされる距離が続く。行けそうで、行けない。
そして浜松の「くんま水車の里」。営業時間は15時まで。酷道を走り、2回行って2回とも間に合わない。
距離よりも、条件が厳しい場所が一番厄介だと、ここで思い知らされました。
ファイナル編|九州・沖縄で迎えた終点
終盤に来ても、旅は素直に終わりませんでした。天草諸島だけで200km近く走ったと思います。
地図では近く見えるのに、実際は意外と手ごわい。阿蘇では、生ビールが飲める道の駅に出会いました。
車でしか来られない場所で生ビール。少し不思議な気分のまま、運転を続けます。
高千穂で食べた宮崎牛は、正直、救いでした。都城、高千穂、宮崎市で何度も食べています。今でもあの味を思い出します。
そして、道の駅のためだけに向かった奄美大島。交通費は約4万円。金額を見た瞬間、さすがに気持ちが落ち込んでしまいました。
翌年、徳之島にも道の駅ができたと知ったときは、さすがに笑ってしまったほど。
最後のスタンプは、鹿児島県薩摩川内市の「樋脇」。派手な終わりではありません。でも、「全部回った」という達成感は格別でした。
番外編|新しい道の駅だけを追いかけてみた(2割カット版)
本編が終わっても、スタンプラリーは終わりませんでした。
アプリ「みちめぐ」用に、2024年以降に新しくできた道の駅だけを回る、いわば延長戦です。
件数は多くありません。それでも、北海道から鹿児島の徳之島まで。距離だけは、本編以上でした。
岩手では宿が見つからず、花巻で車中泊。徳之島へは、福岡から鹿児島へ出て、奄美経由でフェリー。
しかも朝寝坊して乗り遅れ、チケットを買い直す始末です。効率も達成感も、本編ほど分かりやすくはありません。
それでも、新しくできた道の駅には、その地域の「これから」が少しだけ見えました。
全部やる必要はなかったかもしれませんが、やったから分かったことがあったのも確かです。
「道の駅」は地域の価値を世界へ届けるための入口になる
道の駅スタンプラリーを通じて、全国で約1,400の市町村を実際に訪れました。
その中で、観光地では拾われにくい地域固有の価値を、現地で見てきました。
道の駅に並ぶのは、地元で使われ、選ばれ続けてきたものです。流行や演出ではなく、生活と産業の結果がそのまま表に出ています。
だから、地域ごとの違いや強みが分かりやすい。
- 何が無理なく続いているのか
- どこにその土地らしさがあるのか
それを短時間で把握できる場所が、道の駅でした。
全国を回る中で、日本には海外に向けて十分に伝えられていない地域資源が多いことがはっきりしました。
価値がないのではなく、海外に出る入口が用意されていないだけです。
現地で見てきた特産品や文化、地域性を、海外の人が初めて触れる前提で、そのまま届けていきます。
まとめ
正直、ここまで数を重ねるとは思っていませんでした。スタンプより印象に残っているのは、その場所の空気です。
道の駅は観光地ではなく、生活の途中にある場所でした。途中、速度違反で免停にもなりましたが、この旅らしい出来事だったと思っています。
全国を回って何かを達成した感覚はありません。ただ、地域の見え方が少し変わった。それだけは、たぶん間違っていません。
この先どうするかは、まだ考えている途中です。またどこかで、同じような時間を過ごす気がしています。
📺 YouTubeチャンネル
動画「ひでさんジャーニー」
英語版 TripTip Japan
