海外展示会とは?自治体や行政が出展する流れや得られる成果・成功のポイント

自治体や行政にとって海外展示会は、地域産品の輸出促進や中小企業の海外販路開拓支援、観光誘致などの発信に欠かせない機会です。現地のバイヤーや消費者と出会い、リアルな反応を掴めることは、海外展示会ならではのメリットといえます。
この記事では、海外展示会とはなにかについて触れたうえで、自治体や行政が出展するまでの具体的な流れや期待できる効果、そして成功に導くポイントを解説します。海外展示会への参加を検討されている担当者の方に役立つ情報をお届けできれば幸いです。
海外展示会とは
海外展示会とは、海外の会場で自社製品やサービスを直接提示しながら、現地の顧客や代理店との商談につなげる施策です。
類似する施策には、見本市やトレードショー、商談会などがありますが、これらのイベントと海外展示会は趣旨が異なります。見本市やトレードショーは“見せる”こと、商談会は“売買する”ことに特化した施策です。一方の展示会は新規リード獲得に重きを置き、名刺交換から営業につなげることを目指します。
国内展示会との違いとして挙げられるのは、販路開拓・輸出・現地市場調査・ブランド認知の色がより強いことです。国内では認知拡大や一般消費者向けのイベントが中心となりますが、海外では国際的なバイヤーや流通関係者が集まることが多く、すぐに契約を獲得するチャンスもあります。
自治体・行政が海外展示会に関わる主な目的
海外展示会には、一般企業だけではなく、自治体・行政も参加します。主な参加目的は次のとおりです。
<自治体・行政が海外展示会に関わる主な目的>
・地域産品の輸出促進
・地場産業や中小企業の海外販路開拓支援
・観光PRやインバウンド誘客
・企業誘致・投資誘致・地域ブランド発信 など
自治体や行政による単独出展だけでなく、地域事業者の共同出展支援という形も目立ちます。地元企業と連携し、海外販路拡大をバックアップすることにより、地域活性化や税収の増加といった効果が見込めるでしょう。このような相乗効果を得やすいことも、自治体や行政が海外展示会に出展するメリットです。
自治体や行政が海外展示会に出展する方法・流れ
自治体や行政が海外展示会に出展するまでの流れは、大きく6つのステップに分かれます。具体的な流れや、海外展示会への申請方法などを見てみましょう。
STEP1:出展目的を明確にする
出店目的を明確にすることが第一歩です。輸出商談、観光誘客、地域認知向上、投資家との接点づくりなど、何を目指して海外展示会に出展するのかを決めましょう。
目標が明確になると、参加する海外展示会の選定やブース内容、KPIが決まりやすくなります。KPIの例は名刺獲得数、商談件数、事後面談数、成約見込み件数などです。最初のステップを丁寧に行うことにより、後の準備やフォローがスムーズになり、無駄がなく効率的な出展を実現できます。
STEP2:展示会と出展形態を選んで申請する
目標が明確になったら、参加する展示会と出展形態を選定します。複数の候補が見つかった場合は、対象国・地域、業界特化度、来場者属性、過去出展企業、会場規模を比較して、自治体や行政との親和性が高い会場を選びましょう。
選択する海外展示会を最適化することにより、ターゲット層との出会いの質を大幅に向上させられます。たとえば食品をPRしたい場合は食の国際見本市、観光産業をPRしたい場合は旅行関連の展示会を中心に、参加する展示会を検討しましょう。
STEP3:予算を組み、活用できる支援制度を確認する
海外展示会に出展する際は、さまざまな形でコストが発生します。具体的には、出展料や装飾費、輸送費、通訳費、渡航費、制作費などが主要費用です。自治体の場合は、年度予算や委託手続きの関係で、早めの準備が必要と考えましょう。
予算の問題で出展が難しいと感じた場合は、活用できる補助金・助成金がないか調べましょう。支援制度を活用すれば、海外展示会への参加でかかる負担を大幅に軽減できます。補助金・助成金には原則として返還義務がなく、参加後に負債が残る心配もありません。
STEP4:出展準備を進める
ブース装飾のほか、パンフレットや英語資料、動画、サンプルなどを準備して、出展準備を進めましょう。商材説明だけでなく、地域の背景やストーリーも伝えられる構成にすることがポイントです。また、次のような情報も用意しておくと、即時契約を勝ち取る確率を高められます。
<即時契約に向けて重要な出展準備の内容>
・商談用の価格表を用意する
・取引条件や輸出可否に関する情報をまとめる
・供給体制を整理しておく など
現地特有の文化や法律、規制に詳しいコンサルタントにサポートを依頼すると、有益な情報が得やすいです。
STEP5:会期中は“案内”ではなく“商談化”を意識する
会期中は、ただ案内するだけでなく、商談化を意識した対応を心がけましょう。誰に何を聞くかを事前に決めておき、名刺交換だけで終わらせず、見込み度をその場で分類するのがポイントです。来場者の興味を引き出す質問を準備すると、短時間でも有意義な会話や商談を展開できるでしょう。
STEP6:会期後のフォローをする
会期後のフォローで特に重要なのは、1週間以内の連絡を心がけることです。事前に測定した見込み度に応じて優先順位をつけ、サンプル送付・オンライン商談・見積提出へとつなげます。
さらなる成長につなげるために重要なポイントとしては、特に反応の良かった製品や国別ニーズ、価格面の課題を振り返ることを挙げられます。良かった点だけでなく、うまくいかなかった点も振り返って整理しましょう。これにより、展示会の成果を実際のビジネスにつなげやすくなるほか、次回出展時の改善点も見つけられます。
海外展示会を成功させるためのポイント
海外展示会を成功させるポイントとしては、次の3点を挙げられます。
<海外展示会を成功させるためのポイント>
・目的とKPIを先に決める
・地域の強みと展示会テーマを合わせる
・出展後のフォロー体制まで設計する など
たとえば、地域の文化や強みを活かしたブース設計を行うと、来場者の興味が強まり、商談の質が向上するでしょう。出展後のフォロー体制まで事前に設計することにより、展示会で得た新規リードを無駄にせず、長期的な関係構築につなげられる確率も高まります。
まとめ
海外展示会は、自治体や行政が地域の魅力を世界に発信する手段です。協業する中小企業の販路開拓を後押しできる可能性もあります。参加目的を明確にし、展示会の選択から準備、会期中の対応、フォローまでを丁寧に進めることにより、輸出促進や観光誘客、ブランド発信といった成果を得られるでしょう。
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