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2026.04.02 コラム

インバウンド需要とは?拡大の背景や伸びる業界、取り込み方まで解説

新型コロナウイルスの影響により、一時は外国人観光客の訪日がほぼゼロになるほどの壊滅的な状況に追い込まれました。しかし、近年は円安などの影響により日本への関心が高まり、北海道をはじめとする観光地ではインバウンド需要が拡大中です。

今回は、インバウンド需要とは何かを解説した上で、インバウンド需要が拡大する背景や、今後伸びる可能性が高い業界をご紹介します。また、インバウンド需要を取り込むポイントもわかりやすくまとめました。本記事が少しでも北海道でインバウンドに携わる方々の参考になれば幸いです。

 

「インバウンド需要」とは

インバウンド需要とは、海外から日本を訪れたいという外国人観光客の旅行意欲や、消費意欲を総称する言葉です。「日本に行ってみたい」という単純な気持ちだけでなく、宿泊や飲食、買い物、体験といった具体的な行動に対して抱く潜在的なニーズを指しています。 まずは、インバウンド需要が拡大している背景や、今後のインバウンド需要の見通しを見てみましょう。

 

インバウンド需要が拡大している背景

インバウンド需要は、従来の日本市場が縮小する中で、新たな収入源につながる外需として期待されています。少子高齢化や長引く不景気により、国内消費だけに頼るビジネスモデルは限界を迎え始めています。一方のインバウンド需要は、海外からの新しい顧客層を呼び込み、売上を直接押し上げる役目を果たすことが期待されています。

また、都市部だけでなく地方でも売上機会を生みやすいこと、観光だけでなく小売・交通・飲食など幅広い業種に波及することも、インバウンド需要が拡大する理由のひとつです。豊かな自然や海鮮などの観光資源に恵まれた北海道は、特にインバウンド需要が拡大しやすいエリアといえます。

 

【2026年】今後のインバウンド需要の見通し

インバウンド需要はいつまで続くのか疑問を持っている方が多いかもしれません。旅行会社大手のJTBでは、2026年度の訪日旅行市場トレンド予測を発表しています。これによると、旅行者数と消費単価、消費額の推移は次のとおりです。

【訪日旅行需要予測数値】
・旅行者数(万人)
2019年:3,188 2023年:2,507 2024年:3,687 2025年:4,260 2026年:4,140
・消費単価(万円)
2019年:15.1 2023年:21.2 2024年:22.0 2025年:22.5 2026年:23.3
・消費額(兆円)
2019年:4.81 2023年:5.31 2024年:8.13 2025年:9.58 2026年:9.64
※2025年~2026年は予測値

旅行者数は2025年にはじめて4,000万人を突破し、2026年も4,000万人台を維持できる見通しです。この間の旅行者数は減少する見込みですが、消費単価や消費額はそれぞれ上昇すると考えられています。限られたパイを奪うためには、インバウンド需要を的確に予測し、インバウンド需要を取り込む施策を実行に移すことが重要です。

 

インバウンド需要の恩恵を受けやすい業界

インバウンド需要の恩恵を受けやすい業界は、大きく3つのジャンルに分けられます。それぞれの特徴を見てみましょう。

 

宿泊・観光・交通業界

ホテル、旅館、観光施設、鉄道、バス、レンタカーなどの宿泊・観光・交通業界は、インバウンド需要の恩恵を直接的に受けやすいです。例えば世界屈指のパウダースノーを誇るニセコエリア(倶知安町・ニセコ町・蘭越町)は、インバウンドをターゲットにした高級リゾート地として発展。富裕層のインバウンド需要を満たし、2024年度の外国人宿泊客延数は83.9万人と、過去最高を更新しました。

 

飲食・小売業界

飲食店、ドラッグストア、土産店、商業施設などの小売業界も、インバウンド需要による強い恩恵を受ける業種です。北海道の海鮮や乳製品、スイーツはインバウンドのモノ消費を刺激。ドラッグストアや商業施設では、免税対応を強化してインバウンド需要を満たしています。

 

体験サービス・地域ビジネス

文化体験、アクティビティ、ガイド、温泉、イベントなどの高い付加価値を付けられる業種もインバウンド需要の恩恵を受けやすいです。例えばアイヌ文化体験や旭山動物園ツアーなどは、アジア各国や欧米の訪日外国人から人気。国別の訪日外国人数を分析し、インバウンド需要が高い国の言語に対応するガイドを用意して、インバウンド需要を満たしています。

 

インバウンド需要を取り込むためのポイント

インバウンド需要を取り込むポイントは主に3つです。外国人のツボを押さえた対策を打ち、他社との差別化を図りましょう。

 

ターゲットを明確にして施策を始める

まずは「どの国・どの地域の旅行者を狙うか」を明確にしましょう。同じインバウンドでも、属性によって求める体験や消費傾向が異なります。例えばアジア客は美食や温泉、ショッピングを、欧米客はアクティビティや文化体験を望むケースが多いです。自社が展開する事業や地域に応じた、最適なターゲットを選定する必要があります。

 

受け入れ環境を整える

インバウンドの受け入れ環境を整えることも重要なポイントです。具体例としては多言語案内、キャッシュレス決済、無料Wi-Fi、予約導線の整備などを挙げられます。例えば飲食店の場合、英語や中国語、韓国語のメニューを導入するだけでも、インバウンド需要を満たす店舗作りを推進できるでしょう。

 

Web・SNSで多言語発信する

WebやSNSの多言語発信もインバウンド需要の増加につながります。公式サイト、Googleビジネスプロフィール、SNSの情報整備などを意識して対策しましょう。“映えスポット”の発信は、主に若者のインバウンド需要向上につながります。専門的な支援を提供する企業にWeb・SNS対策を外注すると、より効果的な集客の実現が可能です。

 

インバウンド需要の取り込み例(北海道)

北海道では中小企業が積極的にインバウンド需要を取り込み、大きな成果を上げています。技研商事インターナショナルによると、2024年の来道者数は300万人台、消費額は8,000億円台を回復。2025年は来道者数400万人台、消費額1兆円が見込まれています。具体的には、次のようなインバウンド対策により、インバウンド需要の取り込みを試みる中小企業が多いです。

<北海道のインバウンド対策の現状>
・施設案内表示の外国語対応
・おもてなし規格認証
・免税店の設置
・オーバーツーリズム対策

観光客の急増に対応するオーバーツーリズム対策や、施設案内表示の外国語対応により、訪日外国人の満足度が向上する可能性が高いです。これにより、良好な口コミによる新規顧客獲得につながる確率が上がり、新たなインバウンド需要の取り込みにつながります。

免税店は北海道内に40店舗あり、そのうち22店舗は札幌市内に集中しています。外国人が気軽に買い物を楽しみやすい免税店の設置は、インバウンド需要の取り込みのみならず、インバウンド消費の拡大も促すでしょう。 また、外国語対応やサービス内容、清潔さ、安全性などを総合的に評価する「おもてなし規格認証」を受けることも、訪日外国人の信頼確保につながり、インバウンド需要の取り込みに直結します。

 

まとめ

インバウンド需要とは、外国人の旅行意欲や消費意欲を指す言葉です。少子高齢化などの影響により、従来の国内客だけでは経営を成り立たせることが難しくなりつつある地方の観光産業にとって、インバウンド需要の取り込みは重要な課題と言えます。

北海道におけるインバウンドビジネスは、エスビージャパン株式会社にお任せください。弊社は15年以上にわたって地方創生・インバウンドPR支援事業を手がけています。地域ブランドを高める動画作成や、地域ブランディングをプロデュースする各種事務局との連携により、北海道における事業者の方々に、インバウンド需要を高める施策をご提案いたします。

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