FDA認証とは?対象品目と企業が押さえるべき米国輸出の流れを解説

米国を相手に商品を輸出する際、必ずと言っていいほど耳にすることが多いのが「FDA認証」です。FDAとは米国食品医薬局の略称であり、FDAは食品や化粧品、医薬品、医療機器などを幅広く規制しています。輸出企業は、FDAの基準を遵守しながら、米国との取引を進めなければなりません。
「FDA認証」という言葉は日本で便宜的に使われることがありますが、FDAがすべての対象製品に一律の認証書を発行するわけではありません。実際には、食品施設登録、事前通知、化粧品の施設登録・製品リスティング、医療機器の510(k)クリアランスやPMA承認など、製品カテゴリごとの手続きに分かれます。
この記事では、FDA認証とはなにか詳しく解説したうえで、FDA認証の主な対象品目や、日本企業がFDA対応を受ける流れをご紹介します。米国輸出を検討されている経営者・担当者の方にとって、輸出への具体的な一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
FDA認証とは
FDA認証とは、米国に食品・化粧品・医薬品・医療機器などを輸出・販売する際に必要なFDAの各種手続きの総称です。厳密には承認・登録・届出・クリアランスに分けられます。
食品や化粧品、医薬品、医療機器といった製品は、国民の健康や生命を左右する特性を持ちます。米国内で流通する製品の安全性を確保するためのルールに沿った製品であることを証明するために必要なのが、FDA認証であると考えましょう。
日本企業が米国への輸出を始める場合、まずは自社商品がどの分野に該当するのかを正確に判定することが最初のステップです。後述するFDA認証の対象品目に含まれる場合は、輸出を開始する前に、FDA対応を受ける必要があります。
FDA認証の主な対象品目
FDAの規制対象は多岐にわたります。ここでは、FDA認証の主な対象品目について、代表的な4つのジャンルに分けて解説しましょう。
食品・飲料・サプリメント
食品・飲料・サプリメントの場合、原則として製品ごとの事前承認は不要です。ただし、施設登録(Food Facility Registration)と、出荷ごとの事前通知(Prior Notice)が必須となります。
施設登録とは、米国内に輸出される食品・飲料・サプリメントを製造・保管する施設が、FDAのデータベースに情報を登録する制度です。「単に原料を供給する農場」「個人使用のための家庭製造」など、一部の特例を除き、ペットフードなども含めて施設登録が必須となります。
なお、施設登録は2年ごとの偶数年に更新が義務づけられており、10月1日~12月31日までに実施しなければなりません。
化粧品
化粧品は、原則としてFDAの事前承認が不要です。ただし、Modernization of Cosmetics Regulation Act(MoCRA)により、施設登録と製品リスティングが義務化されており、2年ごとの更新が必要です。また、安全性に関する責任は製造事業者にあり、成分表示やラベル規制を守る必要があります。
施設登録では、化粧品の製造・加工を行うすべての施設をFDAに登録しなければなりません。また、万一重篤な有害事象が発生した場合は、発覚した日から15営業日以内にFDAに届け出る義務を負うことも、将来に備えて認識しておきましょう。
医薬品
医薬品の場合、FDAの審査ハードルが非常に高く、多くの日本企業にとっては専門家の関与がほぼ必須となります。専門的な知識を持つコンサルタントや、提携企業と連携して、米国への輸出を目指すことが一般的です。
医療機器
医療機器は、Class I(低リスク)、Class II(中リスク)、Class III(高リスク)に分類され、手続きが大きく異なります。Class Iの多くは510(k)申請が免除されますが、施設登録と機器リスティングが必須です。Class IIは通常510(k)クリアランス、Class IIIはPremarket Approval(PMA)が必要です。
510(k)申請とは、FDAによる事前の承認のことです。Class IIに分類された医療機器は、そもそも510(k)の承認がなければ、FDA認証が受けられません。Class IIIに分類されると、さらに厳格な基準であるPMA申請を行い、工場への査察などを受けたうえで承認を得る必要があります。
企業がFDA対応を受ける流れ
日本企業がFDA対応を進める流れは、大きく5つのステップに分かれます。それぞれのステップで必要なことを確認しましょう。
STEP1:自社製品のカテゴリを判定する
まず、自社製品が食品・化粧品・医薬品・医療機器のいずれに該当するかを正確に判定します。同じ商品でも用途や成分によって分類が変わる場合があるため、FDAのガイドラインを参照しましょう。この判定が間違っていると、この後に行う手続きがすべて無駄になる可能性があります。
STEP2:必要な手続きを洗い出す
カテゴリが決まったら、施設登録、製品リスティング、事前通知、510(k)申請など、必要な手続きをリストアップしましょう。食品であれば施設登録や事前通知、医療機器であればクラスごとの審査が主なポイントです。医療機器の場合、Class IIでは510(k)申請が、Class IIIではPMA申請が必要です。
STEP3:代理人・輸入体制を整える
外国事業者(日本国内の企業)が施設登録を行う際は、米国代理人(U.S. Agent)の指定が必須です。米国代理人は、米国内に住所を有する個人または法人でなければなりません。社内だけで対応が難しい場合は、通関や規制対応に強い支援会社を活用すると良いでしょう。
STEP4:ラベル・成分・品質関連の資料を整える
表示ラベル、成分情報、製造工程、品質管理資料を準備します。化粧品は安全性責任、医療機器や医薬品はさらに厳格な文書管理が必要です。FDA認証において必要なだけでなく、現地輸入業者からも求められる手続きであるため、早めに整えておきましょう。
STEP5:登録・申請後も更新と査察対応を忘れず行う
施設登録や化粧品登録は定期更新が必要です。また、FDAの査察に対応できる体制を整えておきましょう。自動更新を怠ると、その後の商品販売やサービス提供が不可能になるおそれがあります。取引先からの信頼を失わないためにも、FDAのルールを遵守して、必要な対応を取り続けましょう。
まとめ
FDA認証は、米国輸出において欠かせない重要な手続きです。食品や化粧品は比較的FDA認証を取得しやすい一方、医薬品や高リスク医療機器はFDA認証のハードルが高くなります。多くの日本企業の場合、まずは自社製品のカテゴリを正しく判定し、必要な手続きをステップごとに進めることが重要です。
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